備えとは?/ レイク
[ 434] 火山灰への備え - mi
[引用サイト] http://staff.aist.go.jp/miyagi.iso14000/Works/Review/REF/AshUSGS1999/HomePage.html
一般的な非常用携行品…懐中電灯,応急用医薬品,消火器,十徳ナイフ等の道具,発煙筒,マッチ(但し発火注意),サバイバルマニュアル,等々. 予備のエアフィルター (自分で交換できる人),オイル,ワイパー,ウォッシャー液(参考※ 火山灰の上を走り回った車のエンジンルームの写真) ほとんどの屋根は10センチの灰の重みに耐えられない.だから降灰が止んだときには屋根や雨といの灰をシャベル等で除去する(参照→降った火山灰の取り扱い).防塵マスクとめがねを使うこと.屋根やはしごから滑落しないよう,十分注意. 建物に入る際には,外出着を脱ぐ.灰のついた服をいきなり洗濯機にかけない.まずブラシをかけたり振るって灰を落とし,漬け置いてから洗う. もし水道水に灰が混入したときは,しばらく静置して上澄みを使用する.灰が多いときは食器洗浄器や洗濯機は使わないほうがよい. 庭は畑の野菜は,灰さえ落せば食べられる. 野菜に付着した火山灰の除去方法:乾いた状態で払ってから拭き取るか,または大量の水で一気に流すかがよい.中途半端な水量では,火山灰に付着したガス成分が水に溶け出し,酸をつくる.( やぎさん 談) 粉塵の多い場所では静かな遊びをさせたほうがよい※防塵マスクは子供の顔にフィットしないことが多いことに注意. ペットはなるべく屋内に置く.外出した時は,建物に入れる前に電気掃除機やブラシをかけて火山灰をよく除去する. 運転する際は,スピードをうんと落とし(道路の灰をまきあげない&スリップしない),ヘッドライトを点灯(視程が悪いので)する.ガラスが傷つくので,火山灰が乾いている時はワイパーを使わない.泥雨のため止むを得ずワイパーを使う時は,ウォッシャー液をたっぷりと使う (要は火山灰でガラスをゴシゴシこすらないこと). 車が故障して走行不能になったら,すぐに道路の端に寄せる(手で押してでも).さもないと,追突事故を誘発する.ロードサービスを待つ間は車内で(道路上は事故の危険がある). 濡れた灰の上は滑りやすい.はしごや屋根に登るときは十分注意. (屋根上作業は2人1組で行ない,2人をロープで繋ぎ,それぞれ逆側の斜面で作業すると安全性が増すそうです (松本さん 談)) 火山灰とは,火山活動によって岩石や急冷されたマグマが砕かれてできた,砂塵のことです.勢いの強い噴火の際には,「あられ」や「ひょう」のように火山灰の集合体(火山豆石) が混じることがあります. マグマは地下では相当な高温ですが,火口を出てすぐに空気で冷却されるので,遠距離につもった火山灰は十分冷えています.(粒子が小さいので,すぐに周囲の空気と温度平衡になります) 火山灰の砕かれ方には色々あるので,できた火山灰の形状も色々になります.衝撃や熱歪みによって砕かれたものは,角ばった砂粒のような形になります.溶融状態マグマが引きのばされれ割れたものは,紙のようにヒラヒラしたり糸のように細くなります.このうちヒラヒラしたものは空気の中を落下するのに時間がかかります.その結果,風に乗ってより遠くまで飛ばされます.空気中火山灰がを舞っていると視程が短かくなり,日光が遮え切られて昼間でもまっ暗になることもあります. 一口でいえば,降ったばかりの火山灰は不愉快なものです.しかし火山灰は,基本的には普段私達が目にしている砂塵とほぼ同じ物だと考えていただいて結構です.但し降りたての火山灰は以下の点が通常の砂塵とは異なります.したがいまして,火山灰の「身体への影響」および「毒性」は,火山灰の以下の特徴に由来する,と考えていただいて結構です. →降ったばかりの火山灰はざらざらしていて,ものを削る能力が比較的高いです.これは砂粒のかどが鋭くとがっているためです(参考:浅間山2004年9月16日の火山灰の顕微鏡写真 (1x1mm, 詳細はこちら→[1])).火山灰の構成粒子はガラスとほぼ互格の硬さをもっています.目の角膜などを傷つける恐れがありますから,目に入ったときはこすらず流水でそっととりましょう.ひょっとすると,上手に使えば,お肌の「角質」を取るのによいかもしれません. →何故火山灰粒子には鋭利なかどがあるのでしょうか? 川や海岸の砂つぶが長年の摩耗でかどが丸くなっているのに対し,火山灰は割れたばかりだからです.火山灰が研いだばかりの包丁なら,海岸の砂粒は切れなくなった包丁です. →このため降ったばかりの火山灰は金属を錆びさせる性質が比較的高いです.成分としては塩酸と硫酸が主で,人体に対するこれらの成分の毒性は,恐れるに足りません.また火山灰表面に付着しているこれらの成分は微量であり,水に濡れると容易に溶け出します.多めの水で洗われた火山灰は,既に火山ガス成分が失なわれているので,もう問題ないでしょう. → その一方,降り始めたばかりの火山灰(成分を失なっていない)に,ごく少量の水が加わる(水が少ないほど酸の濃度が高くなる)場合には,金属製品が錆びたり,木綿の衣類が(硫酸によって)著しく痛みますので,注意が必要と思われます. →とはいえ,自覚症状がない程度であれば,人間に健康上の悪影響をおよぼすことはないでしょう.もし人間が火山灰を直接食べたとしても,少量なら問題ないでしょう(ジャリジャリして不愉快でしょうが). →何故火山ガス成分が付着しているのでしょうか? それは,火山灰が濃厚な火山ガスの中で生成されたためです.おそらく上空で噴煙が冷えた際には火山灰粒子の表面で結露が発生し,水に溶けやすいこれらの成分が濃集したのでしょう. →何故熱水変質鉱物が含まれるのでしょうか? 高温の火山ガスは反応性が高いので,これに曝されつづけた火口周辺の岩石は化学変化を起こし,別の鉱物に転ずることがあります.そのような鉱物を熱水変質鉱物と呼びます.爆発的な噴火においては,火口周辺の岩石も一部破かれ,火山灰とともに降ることがあるからす.(参考:変質岩片を含む浅間山2004年9月1日の火山灰(1x1mm, ほぼ中央の暗い粒子などがそれ.[2])) →大部分の熱水変質鉱物は無害ですが,しかしクリストバライトという,微粒子を長期間を吸いつづけると「珪肺」になる鉱物も知られています.クリストバライトは高温の火山ガスから直接結晶化したり,溶岩中のガラスが変化することによって生じます.これについてはスフリエールヒルズという火山での,Baxterほか(1999 年,Science) による研究があります.それによると,火山灰中に含まれるクリストバライトの量は,噴火の様式によって異なります.火山灰中の10 ミクロン以下の粒子に占めるクリストバライトの量は,爆発的な噴火(浅間山の2004年9月1日のような)では少なく(3?6%),溶岩が崩れ落ちる噴火 (1991年の雲仙のような) では比較的多い(10?24%)とのことです.溶岩丘の崩落を繰り返すタイプの噴火では,長期間にわたって粉塵を吸い込むことになるので,なるべく吸い込まないよう注意したほうがよいでしょう. まとめますと,火山灰自体には高い毒性はありませんが,幼児,高齢者,そして呼吸器系疾患を持っている人は,健康上の問題を生じるかもしれないので注意しましょう.また,風でまいあがった火山灰は,普通の土埃よりも目の表面を傷つけやすいので注意が必要です. よく雨に洗われた火山灰は,粒子の角が鋭いことを除けば基本的に土埃と同じものですから,取扱いは土砂と同様で構わないでしょう. →これは濡れた土埃でも同じですが,火山灰は普通の土埃が積らないような場所にも積もるので,意識的な注意が必要です. →厚み1センチの乾燥灰の重さは,1平方メートルあたり9?18キログラム,同じく濡れた灰は18?28キログラムもあります.といってもピンとこないので,この比率にしたがって簡単な表を作成してみました. |
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